24時間ジムプロデュース

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2023年8月31日木曜日

館内セールス強化で総合フィットネスクラブは激変する!

館内セールスについては過去何度も記事にしてきましたが、取り入れて成果に繋げられているクラブは極僅かと思います。
それは何故なのか?
クラブ経営陣は館内セールスを強化することよりも、手っ取り早くディスカウント戦略を取ることで、目先の集客を増やすことを考えてきました。
デフレ時代ならまだしも、これからはインフレ時代に突入していきます。物の値段は上がり、人件費も上がってくる。24時間ジムなどの競合も増え、チョコザップなどの低価格クラブも増えてきた。そんな中、総合クラブはディスカウント戦略で今後も戦えるのでしょうか?
今号では館内セールスの必要性を再度認識していただきます。

セールスを語る
私はフィットネスクラブ経営コンサルタントとして26年を迎えます。それ以前は、ある商品の訪問販売セールスマンをしていました。当時、その業界では圧倒的な売り上げから「セールスの神様」と呼ばれていました。それが私のバックボーンです。そのセールス力を買われ、大手結婚式場の赤字店の立て直しなど数多く手掛け、▲3,000万から利益7,000万まで1年間で1億円売り上げ向上させた実績もあります。
コンサルタントとして活動している現在も、既存クラブからの仕事の依頼は少なく、他業種の経営者にアポイントを取り、企画プレゼンすることでフィットネスクラブ新規開業に導いています。FC会社が沢山あり、コンサルタント会社も多数ある中で勝ち抜く。やっていることはセールスマン時代と変わりありません。そんな経歴の私なので、実践的なセールスを伝えられるのです。

専任セールススタッフの必要性
フィットネスクラブの販促を見返してみてください。
施設紹介とディスカウントキャンペーン紹介がほとんどです。オープンしたばかりならともかく、何年も運営を続けていて販促に使えるような会員の成果はないのでしょうか?
SNSも更新頻度と内容を確認してください。Googleマップの口コミ数やコメント返信も見直してください。クラブの本当の価値を伝えていると思いますか?
もうインストラクターやフロントのアルバイトに期待するのは辞めましょう。畑違いなので無理です。インストラクターは会員から嬉しい成果報告を受けても「良かったですね!」と一緒に喜ぶだけで終わります。その内容を記事にして、他の会員や見学案内の時のPRに活かそう、外部販促に活かそうなどのセールス脳は働きません。
フロントアルバイトに至っては、教えたことは言えますが・・・所詮そこまでです。
今こそ専任セールススタッフを採用し、クラブ価値を高める努力を始めましょう。

セールスデスクの設置
実際に専任スタッフを採用した場合、どのように働かせればいいのかを考えていきます。
<セールススタッフの仕事>
・見学者セールス
・体験者セールス
・新入会者フォロー
・低利用者フォロー
・退会者フォロー
・オプションプログラム販売
・イベントPR
・SNS更新
・広告企画
以上が挙げられます。
これらの仕事をする上で適した場所は、会員が入退館時に寄りやすく、セールススタッフも会員とコミュニケーションが取りやすいフロント・ラウンジ近くが適しているということになります。

専任セールススタッフがまず取り組むこと
最初に取り組むことは価値を感じることです。会員としてクラブを利用しプログラム・サービスを体感する。会員と触れ合い生の声を聞く。
同じように競合クラブの会員にもなり、施設・サービスを体感することで自クラブとの違いを把握する。そうすることでセールストークに厚みが出ますし、成約率にも差が出てきます。
料理店に当てはめれば、自分が食べたこともない料理をお客様に薦める事はできないのと同じです。更にはお客様の食べ残しもチェックし、満足いただけたのか?などを気にされるはずです。必要を感じればメニュー構成の見直しも検討されるはずです。
なので、自分が満足しなかったサービスは、どう改善すれば満足できるのか?と考える頭も養うことができます。

会員の成果をまとめる
セールスをするには武器が必要です。その最大の武器は会員の成果です。クラブには多くの会員が通われ、様々な成果を出していますが、それをインタビューしPRへと繋げることができていません。先にも述べましたが、インストラクターには期待しても無駄です。成果を出すことに関しては得意ですが、彼らのモチベーションはそこで尽きます。なので、素晴らしい会員成果は表に出る事はなく、いつまで経っても施設とディスカウントPRの販促しかできないのです。
例えば、パーソナルトレーニングを販売するとしましょう。現在の会員はパーソナルトレーニングを目的に入会した方達ではないので、ニーズもなく売上は期待できないでしょう。ではどうするのか?会員からモニターを募り、成果をまず集めることです。当然、過程をSNSでPRすることも大切です。成果を出すことで商品として完成し、ニーズがマッチした顧客を獲得する土台ができるのです。この一連の流れをセールススタッフが共に行動することにより、知識やノウハウが蓄積され高い成約率へとつながります。

SNSを攻略する
SNSは新規獲得にも、既存定着にも有効なツールですが、どのクラブも戦略的に取り組んでいるのでしょうか。インストラクターに丸投げでは趣旨を理解していないので、的外れな投稿をされているケースも多いです。
専任のセールススタッフであれば、館内を巡回して会員様から「入会して10kg痩せたわ!」こんなお話をいただいたとすると、インタビューして記事にするなど、次なる集客に繋げる行動をします。また、スタジオなどのプログラムであれば、初心者向けに体験してみたシリーズや、低利用者向けに来月からのプログラムの魅力などをインストラクターにインタビューするなど明確な目的のもと行動してくれます。

入会セールスなど
現状集客に有効なのは「スタート応援キャンペーン」です。初期の半年間などを低価格で販売する手法です。インフレで物の値段が上がっている。けれどもデフレマインドが染み付いていますから、価格が安い方に気持ちが傾く。2,980円などの格安クラブが出現すると、「続くかどうかも分からないし、最初は近所の安いところで!」そんな心理が働きます。そこで続かなかったという失敗体験をしてしまうと、再びクラブに入会したいというマインドになるまで時間をロスすることになります。なので、スタート応援キャンペーンをすることで、低価格クラブに対抗する必要があるのです。
入会が獲得できなければ売り上げは0円。価格を下げても獲得できれば売り上げになります。クラブの価値が高まるまでは致し方ないのです。
入会いただければ、セールススタッフはパーソナルトレーニングや各種オプションを販売することができます。あるクラブでは入会者の70%に「初回パーソナル3回チケット」を販売し、その後にパーソナル付き会員種別へのランクアップを高確率で導いています。社員パーソナルだけで月間700本をこなしています。このように入会後に館内セールスで単価アップを図ればいいのです。

館内セールスがクラブを活性化する
だんだんイメージが湧いてきましたか?
新規入会者の利用動向を把握しフォローしたり、低利用者にフォローを入れたり、退会届を出しに来た会員に対して退会防止セールスを行ったり、専任だからこそクオリティを維持して対応することができるのです。
例えば退会をしに訪れた会員にはどのような対応をされていますか?食い止める努力はしていますか?多くのクラブがすんなり退会届を出して記入させていることでしょう。それでは会員が増えるわけがありません。本来なら退会届を出しに来る以前に食い止める必要があるのですが、セールススタッフは退会を防止する行動をする必要があります。低利用月分が3ヶ月あるならば、今後3ヶ月会費サービスをすれば?パーソナルを3回サービスすれば?など会話の中から対応を考え提案することです。それでも退会するようであれば、定期的なアプローチを実施し再入会を促します。例えば会報と施設利用チケットを同封して送るなど。
新規の入会者には、来館時と退館時には立ち寄るように促し、利用後の満足度と不満点を聞き出します。この不満点を持ち帰らせないことが非常に大事です。
このような努力を日々行うことで、価値のあるクラブへと成長するのです。

まとめ
価格に納得のサービスが受けられる。そんなクラブを目指しませんか?
今後は会員数を増やす戦略ではなく、客単価を上げる戦略を追求していかなければなりません。1万円で使い放題!まるで食べ放題バイキングのような考えは捨てるべきです。
2万、3万と客単価を上げていくには、専任セールススタッフの雇用と育成が急務です。

インフレ時代のフィットネスクラブ経営!

インフレターゲット2%はグローバルスタンダード

世界中でインフレが進み、日本でも物の値段がドンドン上がっています。
日銀もインフレターゲット2%を目指すと発表していますので、今後も物の値段は上がっていくことになります。この流れは他の先進国も同様でグローバルスタンダードだそうです。新型コロナ騒動の次は価格やサービスを再考する必要が出てきました。
バブル崩壊後、失われた30年と言われていますが、その頃の収支計画を見返すと、人件費や水道光熱費などの支出は年2%アップ。会費など収入は3年毎に5%アップで組まれていました。なので、失われた30年を脱却して本来の流れに戻るとポジティブに考えていくしかありません。

放置型24時間ジムは厳しい戦いが待っている

指導サービスで差をつけられない放置型24時間ジムは、同種競合が増えた影響で差別化策としては会費ディスカウントしか戦う武器がありません。賃料・光熱費が上がっていく中でディスカウント戦略しかないのは厳しいですよね。
先日、アメリカの大手マシンメーカー担当者と話す機会があり、日本よりインフレが激しいアメリカの状態を教えて頂きました。アメリカは今バーガーショップなどでも時給3,000円くらい出さないと採用できないようです。そんなアメリカで会費1,400円(10ドル)の大型24時間ジムを2000店舗以上展開するプラネットフィットネスでは、70%が月間利用0回と聞きました。日本でも20-25%の割合で月間利用0回はいますが、70%とは驚きです。けれど会費がスタバ1回分程度と安いので退会もせず放置している方が多いのだとか。日本でも「ちょこざっぷ」は小規模店舗ながら既に550店舗、会員数55万人との情報が出ています。なんと1店舗1000名平均となります。あの小さな店舗では通常のクラブ利用率であれば捌けるわけがないので、プラネットフィットネス同様に多くの月間利用0回を含む低利用者が存在していると理解できます。税込3,278円とスタバ1回分ではなく、焼肉食べ放題1回分なので、今後の定着率が気になるところですが、きっと更なる会費ディスカウントなどで囲い込みをしてくるのだろうと想像はできます。
放置型の行き着く先は、会費税込3,000円以下が勝負ラインになることでしょう。フリーウエイトを充実したクラブは一部の会員の利用率が高く、滞在時間も長くなるので熾烈な価格競争の中では、成功難易度は更に上がりそうです。

総合クラブはオワコンなのか

コロナ以降、多くの総合クラブは赤字から脱却できていないことでしょう。これだけ大量の24時間ジムや格安ジムができれば新規客獲得もままなりません。そんなな中で考えなければならないのは、会員の多くを占める高齢者の会員維持です。年金に頼る高齢者、これから年金をもらう世代にとっても、インフレにより毎年収入が2%減るのと同じことなります。5年も経過すれば△10%となり、年金生活者の財布の紐は非常にキツくなることでしょう。光熱費の高騰、今後続く毎年の経費や人件費の上昇。それを補うための会費値上げと悪循環になりますので、会員数維持が厳しくなるのは火を見るより明らかです。今から運営方法を見直していかなければオワコン化してしまうことは理解いただけましたか?
私は本誌にて様々な運営改善方法を紹介してきました。前号でもジム編として具体的な取り組み方法を掲載しました。今号ではスタジオ・プールも含めて更に改善方法を深掘りしていきます。

価値あるプログラムを提供する<ジム・プール>

価値あるプログラムと聞かれると、パーソナルトレーニングを思い浮かべる方が多いでしょう。でも内容が薄っぺら過ぎて話になりません。トレーナーは自身が趣味としているボディメイクを会員に押し付けているに過ぎません。1時間でできるプログラムなど種目数も限られてきます。そこのニーズが平均年齢55歳の総合クラブ会員にどれくらいあるのでしょうか?パーソナル売上が不調なのも当たり前なのです。
例えば、中高年の悩みで「膝の痛み」があります。歩くと痛い、膝に水が溜まる、正座ができない・・・など非常に多くの方が悩んでいます。TV CMでもサプリメントのCMで見かけますよね。それだけニーズがあるということです。整形外科でレントゲンを撮っても、「悪いところはありません。」と言われ、仕方なく整骨院で鍼治療や電気治療を1回5,000円程度支払って通っている。そんな方は多いのです。
これらの症状を改善するのは整骨院では難しく、日々自身でケアをしていかなければ良くなりません。ではどうすれば良いのか?答えは簡単です。筋膜リリースをすることです。クラブではフォームローラーをストレッチゾーンに置いて、基本的な筋膜リリースの方法は教えていますが、実は筋膜リリースも非常に奥が深く、どのようにリリースすれば痛みが改善できるのか様々なノウハウがあります。興味がある方はYouTubeで検索すれば治療家の方の動画をたくさん見ることができます。
直接触れることもなく、特別な国家資格も必要もなく、複数の会員に一度に指導でき、辛い痛みを改善することができる。更に衰えた筋力を戻す運動も、プールやジムで行うことで根治することが出来る。高いお金を払って整骨院に行かなくても、痛みから解放されるなら価値はとても感じていただけるはずです。
ボディメイクしたい!これがニーズだと若いトレーナーは思いがちです。別のニーズの存在を教え、手法を学ばせ、商品化する。最近の経営陣にはその能力が欠けていると思います。自身に興味がなく、トレーニングも分からないから、現場のトレーナーに任せている!そんなでは新しいニーズを見つけることもできません。
これ以外にも、姿勢改善・骨盤矯正なども昔から人気コンテンツです。悩み、コンプレックスを解消できるなら人は集いお金を払います。

価値あるプログラムを提供する<スタジオ>
経営難からフリーインストラクターのフィーは下落の一途です。失われた30年・・・その時代1レッスン5,000円は当たり前。人によっては8,000円以上稼ぐのがスタジオインストラクターでした。今は3,500円程度と、金額維持どころか大暴落しています。
フリーのインストラクターになりたい若者が少ないのも当然です。
会員は当たり前のように連続受講をし、ただ時間を消費することを目的としている。この状態を招いたのはクラブ経営者であり、被害者はフリーインストラクターなのです。
スタジオ改革の手法は過去何度も取り上げていますが、優先予約制度と課金制度、そしてグループパーソナルの3つです。これでスタジオは激変します。
まず、本数を多く見せるために、「これだ!」という当たりレッスン以外を省きましょう。省かれる多くが常連の時間潰しレッスンで間違いありません。
会員には月間4.5本のレッスン優先予約を与え、Webで予約を取るようにします。そうすることで、ライト層に確実に満足できる価値あるレッスンを受講できる環境を確保します。更に、1日に受講できるレッスンを1本までとし、2本目からは550円の課金をさせる。また、追加優先予約を希望する場合にも550円の課金をさせる。
クラブを取り巻く環境にもよりますが、ここまで改善することができます。
また、フリーインストラクターによっては別途課金レッスンとして、インストラクターフィーを補うこともできます。
最後にグループパーソナルですが、インストラクターからすれば同じレッスンを行い、同じフィーが得られるなら、30名でも3名でも問題はありません。仮に6,000円として、会員様3名で各自2,000円負担して、好きな先生にセミパーソナルでレッスンをしてもらう。とても価値があるはずです。パーソナルはジムインストラクターのもの。と変な思い込みをしている経営陣がいますが、実はスタジオインストラクターの少人数セミパーソナルレッスンの方がニーズはあるかもしれません。
クラブにはフリーインストラクターの受付パネルを掲載して、ジムの外部パーソナルトレーナーと同じようにPRしてあげましょう。専用のミニスタジオを作るのもいいでしょう。このクラブであれば十分に稼げる!と思えばどんどんインストラクターは集まってきます。価値のあるスタジオへ進化でき、新たな会員も集まってくるのです。

まとめ

ただ楽しむフィットネスクラブから、会費は高くても価値のある内容を提供できるクラブへ進化していかなければ、これからのインフレ時代に勝ち残れません。次号からは価値ある商品を作り上げても、それをどうセールスすれば成功するのか?そのセールステクニックを紹介していきます。