24時間ジムプロデュース

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圧倒的に勝てる! そのノウハウを比較ください。

2021年5月28日金曜日

2021年 総合フィットネスクラブ 攻めの戦い方!

東京オリンピックは7/23〜8/8の期間で開催される予定です。

春過ぎからは各国選手団が来日し、国内は一気にお祭りモード。人々のフィットネス熱も再燃し、疫病で苦しんだ2020年が嘘のように業績も回復する。

皆さんが思い描く明るい未来ですが、12月後半時点の状況は、ロンドンで感染力に強いコロナ変異種の感染拡大で都市封鎖。国内でもGoToキャンペーンが中止になるなど、終息が見えない暗い状況が続いています。

会員数が30%程度減るなど、苦しい経営に耐えているクラブ経営者も、2021年は積極的なリニューアルで攻めていくか?徹底的な経費削減で守りに徹するか?判断を決めかねている時期かと思います。今号では明るい未来を前提に考えていきます。


総合フィットネスクラブの24時間化

大手クラブチェーンでは24時間営業を始めるクラブが増えています。

これは24時間ジムへの対抗手段で導入しているのでしょう。

果たしてどれほどの集客効果があるのでしょうか?

24時間ジムでも夜中や早朝にトレーニングされる方は少数です。

来館される方は、いわゆる意識高い系の方であり、多くがフリーウェイトを好む層です。

運動着のまま訪れ、駐車場から即アクセスできる環境と、夜中に一人でも不安にならない丁度いい空間サイズを好みます。

さらに言えば、フィットネスクラブで好まれるマシンと、24時間ジムで好まれるマシンは違います。見誤ると折角24時間対応にしても期待した集客は得られないでしょう。

ある24時間ジムの大手チェーン店では2種類のメーカーが採用されていますが、私は出張先で通う場合、ホームページで採用メーカーを確認して行くかどうかを決めています。

これは私に限ったことではなく、結構な率でそのような方がいるのです。

なにより、24時間営業じゃないと通えないという層は一握りであり、24時間ジムも増えてきていることからも、総合クラブがその小さな市場を取るために、24時間営業することが良いのか?と聞かれると、私は必要ないでしょう!と答えます。


現状の集客戦略

各社アイデアを絞り出してキャンペーン内容を考えています。

疫病が終息しなければ高齢者の新規獲得は見込めないことから、若年層を獲得する戦略を組んでいます。驚いたのはルネサンスの60分会員。4,950円で土日も使える。昔リーマンショック後には90分会員という格安会員種別が多くのクラブで導入されましたが、まさか60分とは・・・。テップネスのスタートアップ会員3,000円も、今までであれば月会費1ヶ月無料などと、割引として見せていたものを、会員という名前をつけることで、あたかも新しいお得な会員種別ができたような勘違いをさせる。Web広告などで目を引く手法を考えています。

要するに考えをまとめると、現在の会員種別の価格では集客が得られないということです。

ジャパンネット銀行で、「コロナ禍前後で増えた出費と減った出費」というアンケート調査が行われました。注目点は娯楽費△70%、自由に使えるお金△35%であったことです。

この調査は7/1に行われたものですが、現在もそんなに変化はないかもしれません。

私はクラブを出店する場合、地域の競合を分析して会費システムを考えますが、着目するのはナイト会員や土日会員など、メインではない会員種別です。理由は明確で、メイン会費で集客できないけれど、会費を下げると現会員からの売り上げが下がる・・・そこで苦肉の策として導入するのがナイト会員だからです。ですからナイト会員の会費がエリア適正価格と考えます。でも現在は、その考えすら当てはまらないピンチな状態と言えます。


何でも使い放題は無理がある?

何でも使い放題をベースで考えると、現在のように時間の切り売りしか手はありません。

ですが、顧客目線で考えた場合決してベストとは言えないのです。

多くの会員は利用エリアが偏ります。プールしか利用しない方、ジムしか利用しない方、スタジオしか利用しない方、温浴しか利用しない方もいますし、ジム利用者でもフリーウエイト中心など特徴があります。

顧客が望むのは、必要なエリアとサービスなのです。

例えば一般ジムをベースとして、フリーウエイトエリア、一部スタジオレッスンなどを追加課金にするなどの考えです。

考えても見てください。24時間ジムはジムだけを専門店として切り出したモデル。専門スタジオもスタジオを専門店として切り出したモデルです。

24時間ジムであれば、24時間使える利便性があり、専門スタジオは完全予約制で自分の枠が確保されている安心感があります。それぞれが支持を得てビジネスとして成り立っています。

総合フィットネスクラブが、ディスカウントスーパーと同じ道を選択するか、百貨店のような専門店の集合体の道を選択するか、まさに今が決断の時期ではないでしょうか。

当然、クラブにより抱えている問題は異なりますので、これが正解という簡単なものではありません。


攻めのリニューアル

専門店の集合体にしていくには、各エリアが納得のクオリティである必要があります。初期のクラブに多いケースですが、プールや温浴はしっかりしているが、ジムやスタジオの規模が貧弱で魅力に欠けるクラブが結構あります。これらのクラブの特徴は高齢者が多く、若者からは敬遠されるクラブである場合がほとんどです。

このようなクラブを再生させる手はあるのか?

私の案では、総合フィットネスクラブの強みは絶対的な坪数。

マンション業界でもリノベーションマンションというのがあります。一旦スケルトンにして、間取りと設備を一新することで再生しています。

では具体的にどうするのか?

提案はプールを潰しましょう!ということです。

スイミングスクールで売り上げの多くをプールエリアで賄っているクラブを除けば、考えてみるべきです。実際に当社クライアントでも、実現に向けて検討しているクラブも多いです。

再度プールについて考えてみましょう。経費は凄くかかります。でも利用者は2割程度でメンバーも固定。25mの1コースで3名も利用していれば混んでいるイメージ。坪効率で考えれば最悪です。老朽化したプールでは設備を維持するだけでも大変な金額が必要です。

このプールを潰したとしましょう。200坪を超える巨大空間が生まれます。柱もなく天井も高い。ジム・スタジオ型のクラブが丸々収まる空間が生まれるのです。

200坪のメガジム、100坪&60坪の大型スタジオなどが、現在のスペースで実現できることになります。なにより、改装する場合も休業しなくても営業可能です。

スタジオの予約システム、有料課金レッスンなど、運営システムを大幅に変更できるチャンスも生まれます。

あくまでも案の一例に過ぎませんが、ゼロベースで考え直す時期が来ていると思います。

2021年攻めの戦いを考えてみては?



もうコロナ前には戻らない!アフターコロナ時代に向けてのクラブリニューアル!

新型コロナによる非常事態宣言は、フィットネス施設の経営に大きなダメージを与え続けています。記事を執筆している2月中旬時点では感染者もグッと減り、そろそろ闇を抜けそうな感じではあります。

そんな今、各社ともにクラブから去ってしまった会員数をいかに取り戻すことができるのか検討を重ねているかと思います。

今年に入り先陣を切って施設・プログラム・料金などを、大幅にリニューアルするクラブも目につくようになってきました。

もうコロナ前には戻らない!あらゆる媒体でこの言葉を見聞きします。

であれば、アフターコロナ時代に向けてリニューアルを検討していくのは当然ですが、結構な確率で社内に敵がいるケースが見られます。

今号では、リニューアルのポイントを更に深く考えるとともに、社内の敵に対する対応も考えていきます。


24時間ジム

当社では今年に入り多数の24時間ジム開業希望者が殺到しています。

法人だけでなく、個人の独立開業希望も相当数いらっしゃいます。

希望者にとっては、飲食店などの退店が増えてきていますので、良い立地の物件がリーズナブルに契約できる今を勝機と考えています。

希望者に対しては、「成功するための24時間ジムの条件」をレクチャーさせていただき、内容に賛同いただいた方のみをコンサルティング契約をさせていただきますが、約8割はお断りすることとなります。

お断りするケースをまとめると

・50−70坪と規模が小さい

・中国製コピー商品を導入しようと考えている

・駐車場バランスが悪い

・指導サービスに対する認識の違い

おおよそこのパターンに当てはまります。

私のプロデュースする24時間フィットネスジムは、規模的にはファンクショナルスタジオ・ヴァーチャルスタジオを完備した140坪−200坪が基本で、立地は広域から集客できる郊外ロードサイドが中心です。基本的な指導アービスや参加型プログラムがあり、他店との差別化を図ります。ちょうどフィットネスクラブと24時間ジムの間といった感じでしょうか。

このプランでないと、近々飽和状態になる市場で生き残ることは難しく、また5年後10年後に流行り商品が出た時に、スタジオという絶対的なスペースが生き残るポイントになると考えています。

既存24時間ジムからの経営改善相談も多くありますが、規模が小さなクラブでは目的達成型クラブへのリニューアルを推奨。ある程度規模のあるクラブでは施設・サービスの見直しをしていきます。

<目的達成型クラブ>

規模が小さいのにオールターゲットは狙えません。特にフリーウエイトを好む若い男性を囲い込むことは難しい。男女比は8:2で男性が圧倒的に多いのですから、男性を捨てて女性専用クラブをしてプランニングすることで、競合とバッティングすることなく企画をすることができます。女性専用の24時間ジムといっても、ガチ系の方はフリーウエイト充実型のクラブを選びますので、対象は初心者となります。初心者を取り込むには「美尻専門」などPR効果の高いキーワードを前面に出したプランニングが大切です。

そして何より指導サービスが必要となるので、今までの放置型とは180度違うクラブとなります。指導サービスは統一されたワンオペレーションが理想です。トレーナーも覚えることも少なくクオリティを保つことができます。

このタイプのリニューアルは、ある程度の規模のパーソナルジムなどでも採用可能で、セールスが下手で高額商品が売れずに悩んでいるジムには路線変更をお勧めしています。

勤務しているトレーナーは知識やプライドがある方が多いので、売り上げも上げられないのに抵抗は相当なものです。親会社がフィットネスと関係のない会社の場合、モンスタークレーマーと化したトレーナー陣との合意ができず、リニューアルを断念するケースもあります。

<規模に余裕がある24時間ジム>

駐車場台数にも左右されますが、会費とアイテムの見直しをお勧めしています。会費であれば地域の所得水準にも影響されますので、東京と同じ会費で全国展開するクラブは地方では割高感があります。所得係数を反映させることで地域に適した金額となり、競争力をアップできます。アイテム変更としてはヴァーチャルスタジオ、ファンクショナルスタジオを増設し、各種指導サービスを追加していきます。(ベンチマークはオランダBASIC FIT)

当然、実施内容のPRとしてSNSを上手に使っていきます。このSNSですが、経営苦しいジムでSNSが上手だった試しがありません。上手下手以前に投稿数が圧倒的に少ない。

それでも、放置型24時間ジムはリニューアルをする場合、有人スタジオレッスンを提供しているジムを除き、モンスタークレーマー化するスタッフは皆無なのでリニューアルはスムーズです。


総合フィットネスクラブ

総合フィットネスクラブを運営する企業からの相談も増えています。

全号の記事でも書きましたが、「プールどうする?」ということです。

全てのクラブにプールを潰せといっているわけでなく、初期型総合クラブの多くがジムとスタジオが貧弱なケースが多いからです。30−40坪のスタジオ1つ。そんなクラブも多いでしょう。コロナ禍においてソーシャルディスタンスが大切な今、スタジオ定員が大きく削られて会員の不満を買っていることでしょう。

総合クラブの場合、たとえ一つのエリアがパンクしても集客に影響します。それが最も利用が多いスタジオとなれば深刻です。ソーシャルディスタンスを考え、より大きなスタジオが必要ということになります。では、そのスペースが確保できればいいのですが、確保できないのであれば、どこかのエリアを犠牲にするしかないことになります。トレーニングジムも同様です。初期型クラブの多くがランニングマシンなどのカーディオは充実しているが、それ以外はウエイトマシンが一揃い。そんなクラブが多いはずです。本当なら、中高年用にストレッチマシンを導入したい、ファンクショナル器具も導入したい、24時間ジムに負けないフリーウエイトも導入したいことでしょう。でもスタジオ同様に絶対的なスペースがないのです。そうなると、利用が少なく経費も大きいプール空間を考え直す必要があるでしょう。これくらいの大鉈を振るわなければ、アフターコロナ時代を増え続ける競合施設に勝ってはいけません。

ここでリニューアルを進めるのに1番の難関となるのが、総合クラブでは必ずぶち当たるモンスタークレーマーと化したスタッフの対応です。


変化を嫌うスタッフ

総合クラブのスタッフと会議をすると危機感が感じられません。

会員集客は会社側の仕事で、自分たちは入会した人への指導はちゃんと対応している。

リニューアルすることで、昔からの会員さまを裏切ることになる。

などなど。。。自分たちを正当化する言葉が湯水の如くでてきます。

これは会社側の教育の問題でもありますが、私の対応するクラブの大半が、本業が別業態で「フィットネスのことは分からないから!」と、運営権を現場に握らせているクラブです。

長年に渡り常連と癒着し、言いなりのプログラム構成を提供することで、新規入会者が馴染めない環境となり会員が減っていたとしても、会員減は新型コロナの影響と言い訳ができてしまう。ちょっとした帝国が出来てしまっています。

リニューアルとは、自分たちの存在が脅かされ、ストレスを背負うことになりますから、理由を色々見つけては嫌がるのです。

スタッフ達は、実は一枚岩に見えてもそうではありません。

こんな経験はありませんか?スタジオプログラムなどを大幅に変更すると、署名を集めクレームを言ってくる会員集団がいると思います。スタッフは「全員辞めてしまいます!」と慌てますが、トラブルの元となる人物を退会処分にすると自然と鎮火して、何事もなかったようにクラブライフを送っている・・・

スタッフも同じように、扇動する中心人物を封じ込められれば、残りのスタッフは自由に意見を言い、討論して納得いただくことができます。

本当にリニューアルする場合、一番苦労するポイントなのです。


まとめ

まさに大転換機を迎えたフィットネス業界ですが、いまだにワクチン摂取始まれば会員が戻ってくるだろうと考えているクラブが多すぎます。

現在までで再入会いただけなかった会員は、多分永久に戻ってこないと思った方がいいです。

競合が増え、集客方法に関してもひと昔とは違います。

上級者は24時間ジムと取り合い、新規入会者は今までの総合クラブのアプローチでは反応しません。

戦う準備期間はもう終わります。一刻も早く対抗策を取り組んでアフターコロナ時代を盛り上げてください。