24時間ジムプロデュース

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2023年2月27日月曜日

フィットネス黄金期の到来!?

3年間続いたコロナ規制も緩和され、世の中は急速にコロナ前の状態へと戻っていくでしょう。この3年間に流行っていたものは廃れ、3密で分断されていた人とのコミュニケーションが、これからのビジネスの成功の鍵になると思います。

コロナ時代の申し子であったセルフ型ジムはどうなるのでしょうか?今後はどのようなクラブ運営が必要なのでしょうか?今号では考えていきたいと思います。


限界を迎えたセルフ型24時間ジム業態

40才以下の会員が大多数を占め、さらに男女比も8割近くが男性で占めるセルフ型24時間ジム。この数年でFCを仕掛ける会社も多数出現し、店舗数も爆増したわけですが、今後はどうなのでしょう?

既に全国各地に同様に店舗は存在し、新規オープンをしてもオープン前集客で採算分岐超えを果たした!などの華々しい成功談は聞こえてこなくなり、ギリギリの運営をされているクラブがほとんどだと思います。

最近では、2980円格安ジムも40-150坪程度で数種類出現しており、熾烈な激安戦争に業界はしばらく振り回されそうです。

考察1>40坪規模の2,980円セルフジム

100坪〜が最近では主流の24時間ジムですが、フリーウエイトを使わない一般層が利用するマシンゾーンと最低限の更衣室を切り取ると40坪で収まります。そして、会費が24時間ジムの半額以下なのですから、フリーウエイトを使わない層は取られてしまいます。最初は継続できるのか不安なので、手軽で安いジムに入会をしようと考えるのは当然です。ただし、果たして会員は定着するのか?結果はすぐにわかるでしょう。

考察2>150坪規模の2,980円セルフジム

YouTubeなどで話題のフリーウエイト充実の2,980円ジムですが、私にもよく質問があります。月契約だと4,980円で2,980円は年間継続条件がつきますが、7,000円クラスのジムとマシンは遜色ないので40才以下の24時間ジムガチ勢も取り込めるクラブです。運営の状況がまだ見えてこないので憶測になりますが、売り上げを考えれば単純に通常の24時間ジムの2倍の会員数は必要であり、更にターゲットであるガチ勢は利用頻度も機材占有時間長く、アイドルタイムを除けばフリーウエイトエリアが混雑し、満足に利用できない状況が出るでしょう。年間継続契約の縛りもあり移籍もできないし、トレーニングも満足にできないことでクラブ側と様々なトラブルが予測できます。

運営歴があるフィット365や​​​​​​アッティーボジムと比較すると、エリアプランニングで危険だなと思ってしまいます。

このように細分化されてきた24時間ジム業態ですが、40才以下の男性を主なターゲットとした既存24時間ジムビジネスは、誰が見ても限界を迎えているのは明らかです。


コロナ後の運営にスタジオは欠かせない

マスクで顔を隠し、人との接触を避けた3年間でした。様々なIT革新もありましたが、結局は人との楽しい笑顔のコミュニケーションには勝てません。中には一人でコツコツ頑張りたい層もいますが、その方達の受け皿となる24時間ジムは、世の中に掃いて捨てるほどできました。40才以下の層はフリーウエイトを充実すれば一定数は必ず確保できるので簡単です。それ以外の層を獲得できるクラブが今後は成長するのです。

フィットネス全盛期はいつでしたか?その頃に最も人気だったコンテンツは何でしたか?誰もがスタジオプログラムと答えるでしょう。クラブ会員の60%以上を女性が占め、来館者の50%以上が利用していたスタジオプログラム。今こそ本気でスタジオプログラムを考える時期です。

私がプロデュース手掛けた24時間クラブの多くはスタジオが存在します。最近ではマシンピラティス専用スタジオを導入しているクラブも多くなりました。全てコロナ後を見据えての戦略です。初期はヴァーチャルレッスンに依存しながらも、スタッフは1年をかけて様々なレッスンを習得し、スタジオで開催できるように仕上げる。そうすることで競合との差別化となり、女性層や中高年層が獲得できるのです。

理屈でわかっていても、スタッフを育てるのは労力も時間もかかります。フリーインスタラクターを確保できれば良いのですが、なかなかうまくいかない現状があるのです。

フリーインストラクターの現実

コロナ後は若者も集まる活気あるスタジオを作りたい!と考えても現実の壁が立ちはだかります。募集をかけると、沢山のヨガ講師からの応募があります。ヨガ講師は主婦講師の方が多く、平日昼間限定の方がほとんどです。クラブとしてはバリエーション豊かなプログラム構成を提供したいのですが、フリーインストラクターの要望でプログラムを作成するとヨガばかりのクラブができてしまいます。今、一番困っているのは20才〜30才前半までのフリーインストラクターが極めて少ない。それもダンスや格闘技などヨガ以外のレッスンをこなせる方を探すのは非常に苦労します。

何故こんな状況になってしまったのでしょう?総合クラブのスタジオレッスンも老人インストラクターが老人にレッスンをしている・・・そんな痛々しい光景ばかり見ます。

要するに、若い子が希望を持ってフリーのインストラクターになろうと思う土壌がなくなってしまっているのです。クラブ側もフィーカットばかりですしね。

実際に1レッスン4,000円で契約して日に6本開催しても、人件費は75万程度で収まります。社員スタッフ給与2名分です。受身気質の社員にプレコリオを取得させようとしても、ボディパンプ系なら動きが単調ですが、ダンスやヨガ系ともなると資質がそもそもない社員もいますし、あまりマルチで働いてもらおうとすると、離職してパーソナルジムへ簡単に転職してしまいます。


理想的なプールレスクラブとは

大型24時間ジムに、マシンピラティススタジオやスタジオが完備されたクラブが、今後は増えてくるでしょう。そうなると呼び名はプールレスクラブ。

・基本の24時間ジムは低価格で数多く集客

・フリーウエイトエリア追加課金

・ピラティス追加課金

・スタジオ追加課金

・低価格パーソナル追加課金

・VIPパーソナルルーム追加課金

・高齢者向け介護予防クラス

コンシェルジュ(館内セールス)スタッフが、会員にベストな利用プランを提案する。

低価格で数多く集客し、その後館内セールスで客単価アップを図る。そんな時代に突入します。成功プランは見えているのですが、唯一心配なのがスタジオフリーインストラクター確保なのです。実際に5月オープンの仙台300坪のプールレスクラブで確保苦労しています。


まとめ

いよいよ笑顔で活気あふれるクラブが戻ってくる。

様々な新業態も出尽くし、全てを網羅したパッケージのクラブも出せる。

でも、業界が失った魅力あるフリーインストラクターが育つ環境を、早くなんとかしなければならない。フィットネスの黄金期が到来するか?その鍵を握っていると私は思います。


2,980円小型格安24時間ジムを考える!



この半年で店舗数を急激に増やしている格安小型24時間ジム。フィットネス業界では見かけなくなった、B3サイズの大判チラシが当社にも頻繁に投函されています。1店舗平均490名程度、男女比率も女性優位など様々な噂情報が流れています。今後は24時間ジムが一気に増えたように、格安小型24時間ジムもコピークラブが大量発生すると思われます。今号では格安小型24時間ジムの将来性と対抗策を考えていきたいと思います。


既存24時間ジムは大打撃

既存24時間ジムは80%が男性、しかも40歳未満が大多数。入会する若者の多くがYouTubeなどでトレーニング情報を得てボディメイクを目指す方が多い。なので、近年ではフリーウエイトの充実度が良いクラブの条件とされます。初期型では70坪程度だったクラブ規模も、フリーウエイトエリアを充実させるために拡大を続け、最近では150坪程度のクラブが主流になりつつあります。

ここでポイントとなるのは、フリーウエイトエリア以外の施設は初期型と変わっていないか、逆にフリーウエイトエリアに侵食され、初期型よりも劣っている場合があるということです。

格安小型24時間ジムは、初期型24時間ジム70坪程度から、パワーラックやスミスマシンなどのフリーウエイトゾーンを省き、更衣室とトイレを各1箇所にすることで、35-40坪までスリム化したモデルとなります。一般の方には既存の24時間ジムに通っても使わないエリアが無いだけですし、威圧感を漂わせる会員もいないことで快適にトレーニングができるわけです。それで会費が既存24時間ジムの半額以下なのですから、ニーズは確実にあるでしょう。

既存24時間ジムは増え続ける競合の影響で会員数維持も厳しい中、初心者を格安小型24時間ジムに奪われることとなり、より厳しい戦いを今後は強いられることになるでしょう。


格安小型24時間ジムをプランニングしてみる

新規のお客様からの要望もあり、当社でプロデュースをしたらどうなるかをシュミレーションしました。

トレーニングマシンはアフターも万全な信頼のあるノーチラスマシンをセレクト。


このほかに、ランニングマシン、クロストレーナー、リカンベントバイクを各2台、14kgまでのダンベルとベンチ台、腹筋台、背筋台を合わせて目標税別1,000万円。

トレーニングアプリは、SONY Advagymを採用。これに入退館システム、警備システム、会員管理システム、初期販促費も加えると、税別1,800万円となります。これに物件取得費や改装費が加わってきますが、総額で税別3,000万円程度。

女性客の獲得のために導入されているセルフエステは、飽きられ使われなくなる運命だと判断し導入をせず、課金で利用できるパーソナルジムスペースを設ける。

施設だけであればこのようなプランニングになると思います。

問題は集客した会員を定着させる仕組みです。我々が長年試行錯誤をし、定着策を考え実行してきましたが、初心者のモチベーションを保ち、利用頻度を維持させるのはとても難しい。いくらIT時代だと言っても、スマホアプリで定着ができるわけもなく、結局は無人ビジネスなので追加策は無く、早い段階で経営が行き詰まると予測できます。

例えばカーブスで、指導サービスを無くして会費を半分に下げたとしてヒットするのでしょうか?公共施設は素晴らしい施設を数百円で利用できますが閑古鳥が鳴いているのはなぜでしょう?理由は明確です。その点をクリアしなければ安易に新規参入しても成功はあり得ません。


格安小型24時間ジムはパーソナルトレーナーのセカンドステップに最適

格安小型24時間ジムは、投資金額的にもパーソナルジム経営のセカンドステップに最適です。パーソナルジムの欠点は、会員獲得単価が高いこと。でも卒業と同時に縁が切れてしまうこと。このビジネスモデルなら、格安料金で数多くの会員を抱え、そこからセールスをすることでパーソナルへつなげる流れができます。パーソナルで使用しない時間帯はブースを時間貸しすることで追加収入を得ることもできます。まさにトレーナーが独立開業するのに丁度いいモデルです。大型24時間ジム開業は資金的に無理と諦めていたトレーナーにとっては、夢が広がると思います。沢山ある24時間ジムに対しては低価格で女性や中高年を獲得し、無人格安クラブが出店してきた場合でも、パーソナルトレーナーがいることで出来る対抗策が沢山ありますので戦えます。これ以外では先行している多店舗チェーン店に優位性は見出せません。

※パーソナルジムを追加すると税別90万程度が追加となります。


格安小型24時間対抗策

しかし、今後はフランチャイズ型、個人独立型など格安小型24時間ジムも出店が激しくなるでしょう。既存24時間ジムや総合クラブは対抗策を今から準備して置く必要があります。

<24時間ジム>

エリア分け課金を検討しておきましょう。

低価格で利用できるエリア。追加オプション料金が必要なエリアと作るのです。

基本会費

フィットネスエリアが利用可能(カーディオ・マシン・ファンクショナル・ストレッチ・バーチャルレッスン)

追加オプションエリア

・アスリートエリア(フリーウエイト・プレートローデット)

・女性専用エリア(マシン・フリーウエイト)

・マシンピラティススタジオ

都度課金

・スタッフレッスン

・パーソナルトレーニング

追加オプションエリアはドアをつけ認証で入場可能とすることで管理は簡単です。

流石にフルサイズの24時間ジムになると、マシンも高性能になりますので2,980円での提供は厳しいかもしれませんが、納得のベース価格は提供できるはずです。

<総合クラブ>

総合クラブでも最近ではスタート会員などの名称で、初期数ヶ月間限定で低価格提供しています。これは戦略的に24時間ジムへの対抗であり、通ってもらえれば施設の充実度、各種サービスで正規会費分の価値があることを伝える戦略です。しかし、結局価格は正規会費に上がり、退会を選ぶ会員も多いことでしょう。

ここで一歩踏み込んで対抗策を考えていきます。例えばスタジオが2箇所ある場合、Aスタジオはフィットネススタジオとして会費内利用。プログラムは全て初心者対応。Bスタジオはプレミアムスタジオとして、都度課金&プレミアムスタジオオプション購入者が受講できるプログラムを行う。このようにすれば低価格の会費提供ができ、常連に対しては会費価格を維持することができます。スタジオ以外のエリアも同様です。

このように総合クラブも、利用しないエリアやサービスを削り、会費を組めるようになることが理想です。必ず近いうちに対応しなければならない時期が来ますので、今からシュミレーションしておくと良いでしょう。


まとめ

コロナの影響で人とのコミュニケーションが減り、ジムなどではBGM以外はプレート音しかしない。そんな環境が良いわけがありません。2023年も様々な業態が出てくるでしょうが、適度な人との関わりは会員継続には不可欠と思います。本当の成功とはオープン数ヶ月の数字ではなく、数年後にわかります。市場を食い潰さず循環させられるクラブが勝者です。