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2017年3月1日水曜日

小規模専門特化型クラブ、総合型フィットネスクラブの専門化が集客の鍵



■需要の変化が顕著なフィットネス業界

 従来の総合型フィットネスクラブは、不動産投資をして大きな設備を提供し、折込みチラシを主力とした宣伝で会員を集めるようなかたちだった。目標会員の6割を開業前に集め、開業1か月後までを採算ベースに乗せたあとは、数か月後にはピークを迎え、あとはいかにその退会率を低くとどめるかというのが主流だった。

 しかし、2008年のリーマン・ショック後は、フィットネスクラブに新規入会する層が減少した。景気の悪化もあるが、宣伝媒体が変わってきたことが大きい。若者が新聞を読まなくなり、情報をインターネットから得るようになった。テレビ、新聞、雑誌広告といった宣伝媒体から一方的に与えられていた情報が、今は自分の欲しいものを探して選択する時代に変わりつつある。

 スーパーマーケットのように何でもある総合型フィットネスクラブに参加するのではなく、若者は明確な目標のある専門特化型フィットネスを好む傾向にある。どうせお金を払うのであれば、しっかりとした専門店にいきたい、成果を出したい、という希望だ。

 一方で、若い世代の入会が減少した総合型フィットネスクラブは第二の学校のような位置づけとなり、中高年層が多いため利用率も40%を超える。また、平日の昼間から通える層も多いため、1人当たりの滞在時間も長い。結果、以前に比べて混み合い、会員の満足度を高めにくい施設になってしまった。そのため、現在は総合型フィットネスクラブの新規開業は、立地や商圏を綿密にマーケティングしなければ、投資回収がむずかしいビジネスモデルになりつつある。



■多様な業態で広がる小規模専門特化型クラブ

 さまざまなフィットネス業態が市場に現れているが、現在はすでに淘汰時代といえる。若い女性を中心に人気が高かったホットヨガもこれから安易に新規参入をしても成功はしないだろう。

 ホットヨガにすでに通っている会員がさらなる専門性を求めて、ピラティススタジオや成果を重視した業態を求める一方で、現在のトレンドは「こむずかししく考えなくてよいフィットネス」だ。

 フィットネスクラブの月会費と同じくらいの金額を払ってクラブディスコで遊ぶ、お酒を飲む、カラオケで歌う、コンサートに行くといったストレス解消を行なっている人々は多い。そのなかの選択肢のひとつとしてのフィットネスクラブを選んでもらう必要がある。

 最近の流行のフィットネス業態に共通するのが「遊び」の要素。大人が周りの目に引け目を感じることなく、ストレス解消ができ、健康やダイエットにもつながる「遊び」であることだ。

 現在注目を集めているのが、暗闇や爆音、特殊照明といった非日常空間のスタジオでのボクシングやトランポリン、バイクエクササイズなどの運動。また、サーフボード型マシンでの体幹トレーニングなどだ。

 理論的に考え、目的に向かってひたすら身体を動かすのではなく、趣味の選択肢の一つであり、かつ効果につながるものが消費者の関心を集めている。いままでフィットネスに興味を示さなかった消費者にとっては楽しさの要素がとても重要なポイントとなる。

 しかし、多様化する業態のなかで、小型店舗は、アクティブならアクティブ系、ストレッチならストレッチ系でまとめた数点のプログラムを提供する専門店であることが大切だ。どこまで自分たちが提供するアイテムを専門的に磨きあげられるかが生き残りのポイントとなる。

 また、駅広告とか紙媒体で宣伝をしたあとは、安価なインターネットベースでの宣伝ですすめることが可能で、小規模店舗は採算分岐も低い。

 総合型クラブではなく、小規模クラブを選択する年齢層の情報収集手段はスマートフォンを使用したインターネットが中心であることも踏まえたうえで重要になるのが、ホームページ制作だ。

 理論的にこむずかしくプログラムを説明するのではなく、視覚的に面白さを伝えて、体験予約をしてもらうためのエントリーフォームとして位置づけていくべきだ。ホームページの磨きあげは、「かっこいい」「やってみたい」「手ごろな値段」と消費者に思わせ、体験、入会につなげていく重要な入口である。また、検索エンジンでユーザーがキーワードで検索したときに、検索結果に連動して表示される広告についても、競合の文章をすべて分析し、勝てるキーワードを随時変えていくことで消費者の目にとどまりやすくなる。

■総合型フィットネスクラブの専門化と細やかな配慮が集客を図る

 小規模の専門特化型スタジオが増加する現在、ジム・スタジオ・プールを有する総合型フィットネスクラブは、今後スーパーマーケットではなく、デパートに見せることが重要だ。

 たとえば、人気のホットヨガをプログラムに導入したという打出しだけでは、小規模専門店の真似をしているだけにしか消費者には映らず、ホットヨガをやりたい新規顧客を囲い込むことはむずかしい。小規模店舗にはできないアプローチで、本格的なホットヨガであることを強調することが有効だ。ホットヨガのメリットを提示すると同時に、ヨガでは補えない要素を説明し、「ジムやプールでのトレーニングを行なうことで、不足部分を補えます」といったアプローチをかけていく。

 また、フィットネス業界には、資格が数多く存在するが、トレーナーに対し、クラブ内で認定資格をつくることも有効だ。全国に店舗をもつフィットネスクラブであれば、民間資格よりも説得力をもたせることが可能だ。インストラクターやトレーナーにプロとしての実績を付加することで、教わることに会員が価値を抱ける。小規模クラブに対して、後発であることを踏まえ、専門店よりも専門店らしくみせていく必要がある。

 専門化を進めていくと同時に、総合型クラブはユーザーのプライバシー対策を強化していく必要がある。

 たとえば、背後が全面ガラス張りであるスタジオやランニングマシンの背後に他のマシンが一律に並ぶジムといった施設は多いが、初心者には居心地のよい空間ではない。

 動きに自信がなく後ろに立つ初心者の全身が見られないようスタジオの後方を腰壁までにする、走っている姿を背後から常に見られることがないようランニングマシンの背後は壁になるよう配置するといった対策が必要だ。

 また、照明に関しても、お洒落な暗さを提供することで、ちょっとしたしわや化粧崩れ、ウエアの透けなどを気にせずに集中できる環境となる。

 プールレッスンでも、インストラクターが競泳水着着ていれば、水着の指定はなしと謳っていても、「競泳用水着にしなければいけないのか」「サーフィン用の水着やラッシュガードなんて着にくい」と考えてしまう可能性がある。濾過のターンあげたり、ウォータープルーフを推奨したりすることで、化粧を許容し、プールのエクササイズのハードルを下げることができる。

 フィットネス人口が急激に増加していない昨今では、効率性よりも、専門化と同時に心配りを細やかに進めることに重点をおいた改装をすすめていくことで、初心者や総合型フィットネスクラブを敬遠していた層に対する顧客開拓を進めていくべきだ。

 今後のフィットネス業界は、「ちょっと本格的、とても楽しい」というのが重要な要素となっていく。


情報を消費者が選択する傾向のなかで、まずは見てもらえるホームページをつくり、クラブに足を運んでもらう。興味をもったエクササイズやレッスンをまずは気軽に体験してもらい、そこから、「入会したらこういうこともできます」という風にプラス価値を提供し、会員獲得につなげていく必要がある。

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